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東京新聞の社説に、ご協力いたしました。

弊社の代表・佐倉が、東京新聞（2025年5月18日発行）の社説記事へ参考として取材にご協力させていただきました。

東京新聞の社説。孤独死防ぐ「幸齢社会」に。週のはじめに考える。「生ぜしも一人なり。死するも一人なり。（中略）沿い果つべき人なき故なり」。鎌倉時代の僧、一遍上人の言葉です。生まれる時も一人。死ぬ時も一人。一緒に死んでくれる人などいないのだから…。孤独を「避けがたいもの」として肯定する感覚は、日本人に染み付いているのでしょうか。高齢化が進み、血縁や地縁が薄れた現代では「死するも一人」が現実の光景として広がっています。国の推計では、自宅で誰にもみとられず亡くなり、死後8日以上たって発見された1人暮らしの人は昨年2年1856人。国は「孤立死」と位置付けています。誰の支えもなく迎える私は痛ましく、痛いの放置は人間の尊厳を損ないます。発見後、自治体や物件の所有者に大きな負担が生じることも見過ごせません。孤立死をどう減らすのか。重い問いが、社会全体に突きつけられています。医師が導く社会的処方。個人の遺品整理や遺体搬出後の清掃を担うネクスト社（遺品整理ネクストを運営する株式会社ネクスト：東京都大田区）。年間500件以上の現場を訪れ、その中には孤立死も少なくないそうです。家財道具を分別廃棄し、預金通帳など遺族に渡す貴重品を探す。痛いのフランで汚れた床をはがし、脱臭や殺虫の処理を施す。佐倉賢次郎社長（59歳）は「ごみの大量散乱やトイレの詰まり放置など、生活が荒れていたとみられる家が多くあります」と明かします。浮かび上がるのは、認知症など病気を患ったり、貧困などで生きる意欲を失ったりと、困難さを抱え込んでいた人の姿です。「でも、普通の家もある。買って間もないテレビが置いてあったりして、本当に人の寿命は計れないものだと痛感します」2018年、世界初の孤独担当相を任命したのは英国でした。郵便配達員による見守り活動、学校での孤独対策教育など多くの施策が展開されました。慈善活動の伝統がある国柄で、民間でも大手カフェ・チェーンが初対面の客同士の会話すペースを設けたり、ボランティア団体が家庭訪問したりと、社会全体で取り組みが進みます。日本も21年、菅義偉内閣が初の孤独・孤立担当相を置きました。英国にならい地域全体を巻き込むため、官民連携組織を自治体につくる動きが始まっています。NPOや企業、病院、町内会など多くの組織が加わる想定です。しかし、国の今春の調査では約9割の自治体が組織を未設置でした。「取り組み方が分からない」「地域にNPOがない」との回答もありました。国がモデルを示すとともに、自治体が主体的に知恵を絞らねばなりません。一部の自治体は、高齢者の見守りや「終活」を支援する企業との提携を試みています。自宅にセンサーを設置し、人の動きが長時間検知できないと警備員が駆けつける民間サービスを無料化している自治体もありますが、安価とは言えない有料サービスを紹介するだけの自治体も目につきます。これではすべての人が安心して利用できるとは言えません。英国には注目すべき取り組みがあります。かかりつけの医師が患者の病気を診るだけでなく、「配偶者の死」「借金苦」など生活課題を読み取り、相談員や支援団体などにつなぐ仕組みです。薬を処方する代わりに社会参加の機会を与えて改善に導くことから社会的処方と呼ばれます。医療の変革や相談員の養成、ボランティアの活性化など課題山積ですが日本でも定着させたい。確かに、人は孤独な存在です。ただ「死するも一人なり」と説いた一遍上人自身が、孤独な最期を迎えたわけではありません。つながり求め助け合う。臨終の地に立つ神戸市兵庫区の真光寺＝写真。長島尚道住職（84歳）は「弟子たちにみとられ、遺言も残しました」と語ります。60万人への布教を目指して日本全国を16年間放浪し、慕う弟子が同行したそうです。夢の実現のために無数の人々と交流し、心許す友に囲まれていたと言えます。死ぬ時は一人。だから、勝手放題に生き、他人のことはどうでもいいと開き直るか。それとも、他人とつながりを求め、助け合う社会を築くのか。私たちが目指すべきは、もちろん後者です。日本は未曾有の高齢社会に突入しています。孤独がもたらす深刻な負の側面を直視し、誰もが安心して年を重ねられる「幸齢社会」を実現したいのです。 <>

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